第20回 もてぎエンデューロ 2023

Training

監修:新城 幸也

もてぎエンデューロアンバサダー。
世界最高峰の自転車レース、ツール・ド・フランスに7度出場、2度の敢闘賞を獲得している日本のトップサイクルロードレー ス選手

エンデューロ(以下、ED)は規定時間内にどれだけ周回できるかを競う競技です。
もてぎエンデューロでは大会独自の規定周回数をクリアすることで「完走」とみなされる完走企画を実施します。
今回設定された想定完走率は85%。チーム参加でもOKなので、ひとりでクリアすることにまだ自信のない方はチームで参加すると、より完走しやすくなります!ここでは、もてぎエンデューロ完走を目指すレース初体験の方やビギナーの方に「今、この時期、どんな練習をすればよいのか。」などをアドバイスしていきます。

トレーニングについて

今回は、2時間ED・4時間EDに合わせた内容でお話ししていきます。
まず!自転車に乗る時間を作りましょう。週1~2回の練習をオススメします。土or日、火or水or木など期間を空けずに乗るのが理想的です。1回の走行は「距離」ではなく「時間」で考えると良いでしょう。レースで走る予定時間の1.5倍~2倍ほどの時間を走れたらOKです。2時間ED参加だと4時間?、4時間ED参加だと…8時間?!となるかもしれませんが、あくまで目安です。初めは平坦をゆっくり。慣れてきたら少しずつ登りコースを入れていくとGOOD!
 チーム参加であれば、一人あたりの走行距離が減る分、完走もしやすくなります。練習時も当日の一人あたりの走行時間を想定して走れば大丈夫です。チームメンバーと一緒に練習して集団走行に慣れておくことも大事ですね。

ストレッチについて

日々のストレッチは欠かさずに!
普段あまり動かしていなかった筋肉をいきなり動かすと筋肉同士の連携が取れず、膝痛や腰痛に繋がることがあります。練習前は全体を緩めながら計5分ほど、練習後や入浴後は20分ほどかけてゆっくり伸ばしておきましょう。特にお尻や太もも周り、腰あたりは入念に!

おすすめトレーニング

4ヶ月前
(7月)

まずは自転車に乗る習慣をつけよう!

週に1回でも、通勤や通学を自転車に変えてみると良いかも!
はじめはなるべく平坦な道を走ろう!
ゆっくりでも良いので、10km→20km→30kmと距離を伸ばしていきましょう。

3ヶ月前
(8月)

筋力と心肺トレーニングを始めよう!

平坦な道に慣れてきたら、登坂トレーニングを追加してみましょう。10分ほどの坂を見つけて、足をつかず一定ペースで登りきれるようになりたいですね。

2ヶ月前
(9月)

レースで走る時間の2倍を走ろう!

最初は1.5倍から始めるなど、こちらも少しずつ伸ばしていければOK!チーム参加の方は、あらかじめレース当日の走行時間を想定し、練習時間を調整しましょう。

1ヶ月前
(10月)

トレーニングは継続しながら、食生活の見直しやストレッチを!

トレーニング内容やストレッチはそのまま継続。食生活は油や脂肪を控えめに、たんぱく質を多く摂るよう心がけましょう。

2週間前から当日までに

普段の乗車時もですが、レース前は特に愛車の点検を行いましょう。

1. フレームの変形
2. ブレーキの動作確認
3. タイヤの劣化や摩耗、空気圧の確認
4. チェーンと変速、チェーンオイルが切れていないかの確認
5. 異音が鳴っていないかの確認
整備不足は大事故に繋がる可能性があります。EDレースだと、周囲の人を巻き込む可能性も大きくなります。不安があればショップへ行って事前点検を受けましょう。

レース前日

軽く自転車に乗り、心拍を上げよう!

これをしておくことで当日かなり楽になります。前日はしっかりと睡眠をとりましょうね。

レース当日のビギナー向けポイント

・当日の朝は炭水化物をしっかり摂り、レース中にハンガーノックにならないよう気をつけましょう。
・必ず1~2周以上の試走を行い、コースを確認しましょう。
・チーム参加の方は、周回数や時間を決めておくなどスムーズな交代ができるよう準備をしておくことで平均時速もアップします!
・スタート時には大集団での走行になります。チーム内にレースに慣れている方がいればスタートを担当してもらうのがオススメです。お一人での参加や慣れた方がいない場合は焦らず後列からスタートしましょう。
・レース中は下を向かず前を向き、自分のすぐ後ろにも人がいるかもしれないという意識を持って常に周りを意識しながら走りましょう。
・無理して集団に付いていかなくても大丈夫。自分のペースで走りましょう。
・速い人は右側、遅い人は左側と、走行レーンが分かれています。速い人の走行の妨げにならないよう注意しましょう。
・後ろから先導バイクが来たら、先頭集団が後ろから迫ってきているということです。左側に寄って走行レーンを譲りましょう。

攣り対策について

走行中は自分が思っている以上に汗をかいています。こまめな水分補給をしましょう。1時間で500mlほどが目安です。攣りやすい方は水分補給に加えて塩分タブレットを食べたり、マグネシウムなどが含まれたサプリメントを事前に摂取するのもオススメです。

補給食について

個人差はあるものの、走行時間が2時間を超える場合は約100キロカロリー、2時間半を超える場合は200キロカロリー以上摂取するのがオススメです。スポーツ羊羹やエネルギージェルなど食べやすいものが良いですね。加えて、日頃の練習時から補給の練習をしておくことも大切です。走行中に補給する場合はハンドルから手を離す必要があるので、慣れていないと危険です。不安な方はピットインし、止まってから補給しましょう。

今回「完走」という分かりやすい目標企画があるわけですが、一番大切なのはサイクリングを楽しむことです。エンデューロ完走目標をきっかけに、ファンライドで走ることで、サイクリングの魅力や楽しさを感じることができるようになるはず。 それでは、無理のないペース配分、万全の準備でもてぎエンデューロをおもいっきり楽しみましょう!